PICK UP!【シネマ活動大射撃】ガバメント+アラン・ドロンより強力なものはない

2018年04月20日

エンタメ 映画

《ホンモノ》の凄みと暗い色気を放つドロンは至高のガバメント使いだ

タイトルを見て榊原郁恵の曲を思い出したアナタは立派なミドルです。

そんなことは置いといて、アラン・ドロンです。昨年に俳優引退宣言をしてからもうすぐ1年、未だに美男(決してイケメンなんて軽薄な呼び方は似合わない)の代名詞として語られるドロン氏は、Gun業界においても「最強のガバの使い手」としてレジェンド化しております。

コルトガバメント俳優といえば同世代を生きたスティーブ・マックイーン、近年ではスティーブン・セガールですが、凄み・翳り・色気という3拍子で圧巻なのはドロンでしょうな。この方、そのキレイキレイなお顔立ちとはウラハラに複雑な家庭環境で育ち、感化院(少年更生施設)に入れられ、その後、歳を誤魔化してフランス海軍に入隊、第一次インドシナ戦争に従軍という壮絶な経歴の持ち主です。しかも、俳優として人気絶頂期の1968年には彼の側近が殺害される事件が起こり、ドロンと暗黒街の繋がりと殺害に関与したとの疑惑が取りだたされ一大スキャンダルとなったのです。

若き日の従軍経験と暗黒街を背景とするダークな事件により、映画でドロンが見せる手慣れたガンさばきと凄みは「この人ホンモノじゃね好き?」と、ガクブルさせるものがありました。

1960年代前半、美貌が絶頂期の若きドロン氏。この顔面に生まれたらとりあえず街中ブイブイいわせて歩き倒します!

 

リノ・バンチュラ(左)、ジャン・ギャバン(中)、そしてドロン(右)。3大スター豪華共演の『シシリアン』(1969)撮影時の1コマ。本作でドロン扮する殺し屋ロジェの生い立ちと少年期が語られるシーンはモロにドロンのそれそのもの。

 

そんなドロン氏、実生活ではS&WのKフレームリボルバーがお気に入りで収集していたとの情報もありますが、スクリーン上で最も使用していた拳銃はコルトガバメント。

ガバメント+ドロンの美学を堪能出来る作品群

 

『スコルピオ』(1973)

ハリウッドに遠征、名優バート・ランカスターと共演したスパイアクション。ドロンはCIAエージェントとタッグを組む猫好きの殺し屋ローリエ、通称“スコルピオ”に扮し、東西冷戦下を舞台に非情な諜報戦争を展開します。作中ではM1911A1を分解、メンテナンス、組み立てるシーンがあり、その際の手慣れた所作も印象的です。中盤のランカスターとの追跡戦は体を張った壮絶なアクションを披露。監督はチャールズ・ブロンソン映画でお馴染みのマイケル・ウィナー。余談ですが、本作の日本版劇場パンフレットの最後のページにはゴルゴ13をフィーチャーしたMGCのM16モデルガン広告が掲載されています!

『ビッグ・ガン』(1973)

こちらはイタリアとの合作で、引退を決意したため組織に妻子を殺された一匹狼の殺し屋トニー・アルゼンタの復讐を描くユーロ・ノワール。監督はマカロニウエスタン『続・荒野の1ドル銀貨』のドゥッチョ・テッサリ。本作ではショート・サイレンサーを装着しての暗殺や、抜き撃ちなど様々なスタイルでM1911A1を駆使しています。哀愁漂う音楽も素晴らしく、クライマックスはシチリアに舞台を映し『ゴッドファーザー』を思わせる展開の中悲劇的な結末が・・・。

『危険なささやき』(1981)

ドロンが監督・製作・脚本を兼任、自身が切望していたアメリカン・ハードボイルドの世界を思う存分に見せつけたアクションミステリー。元刑事の私立探偵シュカスに扮し、若い女性の失踪に端を発する巨大な陰謀に挑みます。本作ではいきなり警察のシューティングレンジでのドロンの射撃トレーニングで幕を開けます。ここではMkⅣ シリーズ70モデルを使って華麗なる抜き撃ちを披露、以降は何故かコンバット・コマンダー中心となりますが・・・。後に『ニキータ』の主演で有名となるアンヌ・バリローがドロンの秘書兼恋人役で登場しているのも注目。

他にも、『友よ静かに死ね』(1977)、80年代以降の劇場未公開作『ポーカーフェイス』、『鷹』でもM1911、M1911A1を使用。また、ガバ系をメインで使用しない『サムライ』(1967)や、『仁義』(1970)などでもM19111A1を手に取るシーンがあり、ドロン氏のガバへの傾倒振りが顕著に見られます。

 

未だソフト化なし・・・ドロンのガバ映画最後の砦『ジェフ』(1969)

しかし、ガバメント+ドロン映画の決定打ながらその存在がほぼ忘れられた不遇の作品があるのです。それが当時の愛人だったミレーユ・ダルクと共演したギャング・ノワール『ジェフ』(1969)。日本では同年の年末に正月映画として公開されるもあまり当たらず、その後ビデオやDVDなど一切ソフト化されていません(ヨーロッパではVHSが一時期販売されたようですが)。愛人だったダルクとの泥仕合で権利的にダメなのかと思っていたんですが、別の作品がソフト化されているところを見ると、当時の配給元だったワーナーブラザースが権利を持っていて、大人の事情が絡んでいる可能性も・・・。

よって筆者は1980年前半頃に『ダイヤモンドは血の匂い』のサブタイトル付きでテレビの日曜洋画劇場で観たのが最初で最後となり、その記憶が忘れられず古書店でパンフレットを購入した程なのですよ(アイキャッチ画像と当記事のトップ画像は筆者所有のパンフレット表紙)。

監督は『さらば友よ』(1969)のジャン・エルマン。本作でドロンが扮するのは、宝石業者を襲撃したギャング一味のボス、ジェフの右腕となるローラン。ジェフの裏切りを発端とした仲間割れの中、ジェフの情婦であるエヴァと恋に落ちるローランに非情の結末が・・・というストーリーです。ここでもドロンのM1911A1を使用したシューティングが冴え渡ります。特に中盤の養蜂場での銃撃戦で見せる、片手でのハンマーデコッキングのさりげなく手慣れた所作はシビれます。

では本作が一刻も早くソフト化することを切に願いながら

今回はこの辺でドロンさせて頂きます(そんなシメでいいのか?)

 

 

投稿者:ToyGun.jp編集部