PICK UP!【教えて!トイガンJP】サブマシンガンと“PDW”って何が違うの???

2017年12月08日

企画

「結局さ、“”PDW”って何なの?」

「サブマシンガンじゃないの?サブマシンガンとどう違うの?」

1990年代より新たに登場した、PDW(Personal Defense Weapon=パーソナル・ディフェンス・ウェポン)というなる銃器カテゴリー。直訳すると「個人防衛火器」ですな。

※PDWの代表格であるFN P90で装備するキプロス国家守備隊員

【PDW開発の経緯】

軍用銃としてのおおまかな銃器カテゴリーとして、主力クラスのアサルトライフル、準主力クラスのサブマシンガン、護身用のハンドガンに分けられていました。しかしながら、複雑化する戦況に対応出来る各銃器の特性を併せ持つ新たなモデルの開発が必要と考えられたのです。そして、開発を進めるうちに軍隊運用に於ける戦術研究の結果、西側先進国はとある事実に辿り着きます。

戦時においては、火力重視のアサルトライフルで装備するいわゆる主力となる前線部隊よりも、準主力クラスや護身銃で装備した後方部隊のほうが圧倒的に人数が多いという事。そして、後方部隊を集中攻撃されてしまうと主力となる前線部隊まで無力化してしまうという事。

いってみれば、ケツに火を着けられたらひとたまりも無いので、後ろの守りも万全にしなきゃねー!

ということからPDWの開発が進められた訳なのです。

【PDWに求められたスペック】

前述の状況からいうと、防衛用銃器としてはハンドガンや、サブマシンガンでは威力や射程の問題で弱く、アサルトライフルでは大きすぎて扱いにくい。そのため、PDWに必要な条件として以下の項目が基準となりました。

①有効射程距離が200~300メートル

②コンパクトで取り回しが良く、片手でも取り扱い可能なこと

③ボディーアーマーを貫通するほどの威力があること

④装弾数が多いこと

先の戦線に加え、対テロ戦が激化する現代において、狭い建物内でも即事対応が必要な場合にも有効なスペックを有するのがPDWなのですね。また、パイロット用のサバイバルガンとしてコクピットに配備されるケースもあるとかないとか。

【攻撃用火器としての運用も】

取り回しが良く、確実に相手にダメージを与えるパワーを持つPDWの特性は、防衛用火器という範疇を超え、警察や特殊部隊のアタックガンとして使用される事もあるようです。この場合の位置づけはPDWというよりも従来のサブマシンガン的といったほうがいですな。

【PDWの代表的モデル】

PDWの代表といえるモデルで、日本でもエアガン化されている2丁をご紹介

 

FN P90(ベルギー)

【実銃データ】
発売年:1991年
全長:500mm
重量:2,500g
装弾数:50発
使用弾薬:5.7mm×28

SF映画に登場しそうな近未来的フォルムのP90。PDWの先駆として1980年代後半よりブローニングなどで有名なベルギーのFN社が開発を進めました。プラスチックを多用した軽量かつコンパクトなボディを持ち、90度回転式の給弾構造で弾倉を本体上面に横向きに寝かせて配置できるので50発もの弾数が装填可能。1996年のペルー日本大使公邸占拠事件でペルー軍特殊部隊が使用し、世界にその存在を知らしめました。写真は東京マルイ製の電動ガンで、サバゲー女子にも愛用者が多い人気商品です。

 

H&K MP7(ドイツ

【実銃データ】
発売年:2001年
全長:415mm/638mm(伸縮式ストック展開時)
重量:1,900g
装弾数:20/30/40発
使用弾薬:4.6mm×30

ドイツの名門H&K(ヘッケラー・アンド・コッホ)社がP90に対抗すべくPDWのジャンルに挑戦・開発。給弾方法は従来のサブマシンガンと変わらずグリップ部に下から弾倉を装着して行いますが、これは従来通りの方法で射手に負担を与えないようにとの意図があるようです。アクセサリー類も豊富に用意され、トリガーガード前部に折りたたみ式のフォアグリップも装備されています。こちらの写真も東京マルイ製の電動ガンで、アタッカーにも人気の商品となっています。

 

【具体的に言うとサブマシンガンとどう違うの?】

コンパクトな形状と連射性能において、サブマシンガンのカテゴリーに配置されるケースもあるようですが、これはひとえに“PDW”という銃器カテゴリーが充実していないというか、完全に普及しきっていないという実情によるものと思われます。

ただ、本来のサブマシンガンの定義としては

・既存の拳銃弾を使用できる
・近距離戦闘用であり射程距離が短い

ですが、PDWは

・ライフル弾を小さくしたような貫通力の高い専用弾を使用
・射程距離はサブマシンガンより長い(アサルトライフルよりは短い)

てなアバウトな説明になってしまいます。

サブマシンガンは戦地で拳銃と並行して運用出来るよう.45ACPや、9mmパラベラムなどの弾薬を使用できますが、PDWについては専用弾なので融通が利かない上にコストもかかるというネックがあります。先のP90については、同じ5.7mm×28弾を使用するFN ファイブセブンという拳銃が存在しますが、P90とのセット運用を見込んで後に拳銃が開発されたパターンですな。

まあ決定的な違いは使用弾薬と射程距離ということでしょうか?外観的には似てますし、PDW自体の数がまだ少ないので、銃器本などでのカテゴリー分けの際にサブマシンガンに分別されてしまうということは致し方ないのでしょう。

いずれにせよ、このPDWという分野は対テロ戦の激化が予想される現代において今後発展していくことでしょう。

まあ、そんな世の中になるのは歓迎できませんけどね・・・。

投稿者:ToyGun.jp編集部