PICK UP!【個人的Gun備忘録コラム】コルト・ローマンと刑事ドラマが元気だった時代

2017年11月22日

コラム 企画

「コルト・ローマン」と聞いて思わずニヤッとしてしまうのは主に40〜50代の男性層ではないだろうか。

1980年代〜1990年代半ば、日本のドラマ界は刑事が元気な時代であった。その筆頭といえるのが全国ロケと映画クラスの製作費をかけた大規模な爆破&アクションが展開する『西部警察』シリーズと、スタイリッシュで軽妙な笑いも添えた新時代の刑事アクション『あぶない刑事』シリーズである。これらの作品で刑事の多くが使用していたリボルバーがある。

それが、アメリカの名門銃器メーカー、コルト社が1960年代に発表したリボルバー「コルト・ローマン」だ。ローマン(法執行人)の名が示すとおり警察用として開発された本銃は、強力な.357マグナム弾を発射できる小型リボルバーとして世に登場した。本国アメリカでは、同社のコルト・ディティクティヴ・スペシャル(外観や使用弾薬の種類が共通)と並ぶ警察官給品であったという話はあるようだが、何しろ情報が少ない。本国では非常にマイナーな銃としてその存在は忘れ去られているように感じる。

しかし本国では無名ながら、日本での知名度は高い。

日本におけるローマン人気の火付け役は一時代を気付いたモデルガンメーカー、MGCである。モデルガン化はもちろん、テレビや映画のステージガンとして重宝していたS&Wハイウェイパトロールマンに代わるステージガンとして本銃を推し見事成功させた。

先の2作品以外でも、『非情のライセンス』、『太陽にほえろ』、『噂の刑事トミーとマツ』などの名作含め多くの刑事ドラマに登場し、ブラウン管(この言葉も既に忘れ去られようとしている)にかじりつく刑事ドラマファン、ガンマニアをときめかせたものだ。

さて、ここまで書いておいてこんなことを言うのは失礼な話だが

筆者は当時コルト・ローマンがどうしても好きになれなかった。

同じコルトだと、先陣であるコルト・ディティクティヴ・スペシャルのほうが好きだったし、短銃身リボルバーとしてはS&Wチーフスペシャルのシャープさのほうが好きだった。ローマンについては、やや面積持て余し気味のフレームとずんぐりしたグリップ、厚みがあり全体的に丸みを帯びたような形状に魅力を感じなかったのである。

そして刑事ドラマを見る度に登場するローマンに制服のような味気なさとワンパターン化を感じて「またローマンかい」と、44マグナムやツートンカラーのS&W M59など特別な銃を使用する刑事のほうに注目するようになっていたこともあるだろう。もちろん、モデルガンを購入することなど一度もなく、やがて刑事アクションドラマブームの終焉と共にローマンもその姿を消し、時代の流れと共にMGCもその歴史に幕を下ろした。

今やテレビの刑事ものといえば銃をバンバン撃つアクション系はすっかり影を潜め、頭脳派の台頭、リアリズム重視の展開がメインとなっている。予算の問題もあるが、ガンアクション自体が幅を利かせられない時代になっているのだろう。

そんな中、先日10年ぶりに会った友人の自宅で懐かしきMGCモデルガンのコレクションを見せて貰った。その中にコルト・ローマンの後期モデル(上記写真と同タイプ)があった。そして筆者が真っ先に手に取ったのは、好きになれなかった筈のローマンであった。

やはりずんぐりしたフォルムは好みではない。しかし抗いがたい魅力を感じたことも事実であった。

ノスタルジーというほど大層なものではないが、モデルガンに興味を持ち始め毎週日曜の夜にブラウン管の刑事たちに心熱くしたワクワク感を掌に感じていたのだ。

「やっぱり同世代だなあ。」

真っ先にローマンを手に取り、かまえてみる筆者を見て知人がどこか嬉しそうに言った。

いささか気恥ずかしそうに微笑みながらも、久々に目にしたローマンが久々に会った友人との10年間の距離を一気に縮めてくれたことを有り難く感じた。その時間だけ、イイ歳した大人の男2人は少年の顔になっていた。

そして今、筆者はモデルガンショップでMGCの中古ローマン購入を考えたりしている。

※写真(上) MGC コルト・ローマンMKⅢ 2インチ モデルガン
※写真(下) MGC コルト・ローマンMKⅢ 4インチ モデルガン
提供:アンクル上野店

投稿者:ToyGun.jp編集部