PICK UP!ネタバレなし超速レビュー!!『ブレードランナー 2049』@シネマほぼ百発百中!Gun観しやがれ!

2017年10月05日

エンタメ 映画

「シネマほぼ百発百中!Gun観しやがれ!」

  ~狙った映画はだいたい外さないシネマヒットマンが送る怒濤の銀幕見聞録~

第20回『ブレードランナー2049』

製作総指揮:リドリー・スコット 『エイリアン』『ブレードランナー』
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ  『ボーダーライン』『メッセージ』
キャラクター原案:フィリップ・K・ディック(from『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』)

キャスト:
ライアン・ゴズリング 『ドライヴ』『ラ・ラ・ランド』
ハリソン・フォード 『スター・ウォーズ』『ブレードランナー』
ロビン・ライト 『ワンダーウーマン』
ジャレット・レト 『スーサイド・スクワッド』
アナ・デ・アルマス 『ノック・ノック』

2017年10月27日(金)全国ロードショー。
2017年/アメリカ映画
英題:BLADE RUNNER 2049
上映時間:163分
映倫区分:PG12
配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
■公式サイト:http://www.bladerunner2049.jp/

 

【解説】世界に影響を与えたSFノワールの金字塔待望の続編

1982年の初公開時。その世界観と圧巻のSFXが一部で話題になったものの、興行的にも作品評価的にも芳しくなかった1本のSF映画があった。しかしその後、ソフト化において映画マニアや評論家に再評価され、熱狂的な支持を受け「ディレクターズカット」、「ファイナルカット」なるバージョンが劇場公開。SFノワール、サイバーパンクといった新ジャンルの先駆的存在として、日本のSFアニメをはじめ世界に影響を与えた金字塔的名作として永きに渡り崇めらることとなった。その作品こそ『ブレードランナー』である。

そして35年の時を経て続編となる『ブレードランナー 2049』が満を持して我々の前に登場する。

前作から30年が経過した2049年のロサンゼルス。より深刻さを増した環境汚染と貧困に悩まされる地上において、人間との判別が困難なレプリカント(人造人間)は恐るべき進化を遂げていた。そんな中、造反の恐れのある旧型レプリカントを処分する任務に着くLAPDのブレードランナー“K”は、人類とレプリカントの存在を揺るがす禁断の事実に辿り着く。その鍵を握るのは30年前に美しきレプリカント、レイチェルと共に姿を消したブレードランナー、デッカードであった・・・。

前作を手掛けた名匠リドリー・スコットは今回製作総指揮を担当。新たにメガホンを取るのはSFドラマ『メッセージ』でアカデミー監督賞にノミネートされた鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴ。主演はアクションからミュージカルまで幅広く活躍する旬の演技派ライアン・ゴズリング。そして名優ハリソン・フォードが前作同様リック・デッカード役を熱演。さらに端正な曲者ジャレッド・レト、円熟味を増したロビン・ライト、美しき新鋭アナ・デ・アルマスらが脇を固め、究極の映像美に彩られたSFドラマに深い味わいを与えている。

本国で辛口の映画サイトでも驚愕の高スコアを弾き出し評論家から絶賛を受けた待望の続編。本作によりSF映画の歴史は再び塗り変えられようとしている。

 

 【物語】恐るべき真実が新旧ブレードランナーを引き合わせた

2049年、ロサンゼルス。
人間に代わる労働力として開発された人造人間《レプリカント》は、反乱を繰り返し製造禁止となり、製造元のタイレル社は倒産。その後、企業家ウォレスがタイレル社の資産を買収し従順な新型レプリカント“ネクサス9”を開発した。
これにより旧型で寿命制限のない旧型“ネクサス8”は、解任という名の処分対象とされた。そんな旧型レプリを追い、処分する任務に着くのがLAPD(ロス市警)に属する捜査官“ブレードランナー”である。

若きブレードランナー、Kは過酷な任務に従事しながらも恋人であり相談相手であるジョイとの交流で孤独な魂を癒していた。そんなある日、自身が処分した旧型レプリカントを発端とする事案が発生。Kはそれが人類とレプリカントの共存はおろか、自身のアイデンティティーを揺るがしかねないものと知り独自に動き出す。やがて、その鍵を握るのが30年前に美しきレプリカント、レイチェルを愛し彼女と共に逃亡した元ブレードランナー、リック・デッカードであることを掴んだKは荒廃したラスベガスのホテルで彼に接触する。しかし、それを察知したウォレスは自身の恐るべき計画のために彼らの前に立ちはだかる。

人類存亡に関わる恐るべき真実とは?そして、デッカードの空白の30年に一体何が起こっていたのか?

 

【Gun】デッカードブラスターに加え、Kブラスターが初登場

SF映画史上最高のプロップとして世界中のブレランマニアはもちろん、ガンマニアも魅了したのが通称「デッカード・ブラスター」、「2019ブラスター」と呼ばれるリック・デッカード使用のハンドガンだ。映画オリジナル銃で、シュタイヤー・ボルトアクションライフルのボルト部と、チャーターアームズ・ブルドッグリボルバーのフレームなどをベースにSF銃でありながらリアルさも加味された絶妙なデザインで唯一無二の魅力を持つ。日本でもモデルガンやエアガンなどが発売され、常に完売か品薄という人気ぶりである。

中盤でデッカードが本銃を手に登場するシーンはファンならニヤリとせずにいられない。

そして、前作より30年経過している設定なので当然新型ブラスターも登場。Kが使用する通称:Kブラスターは、完全オリジナルデザインの新型銃でいかにもSF銃なデザインだがオールブラックで落ち着いた印象。加えてウォレスの忠実な部下である女性ラヴが使用する通称:ラブブラスターも完全オリジナル。共にバレルが上下に配列されているようで、これが2040年代のスタンダードらしい。いずれもモデル化はあるだろうか。

 

【寸評】前作ファンも心配は御無用!最高の続編にて近年希に見るSF映画の傑作だ!

世界中の多くのファンが待ち焦がれた作品だけになるべく事前情報を入れずにご覧頂くのがベストと思うので、もちろんネタバレに繋がるような記述は厳禁でお届けしたい。

ただ言えるのは2年前、同じように30年以上の空白期間を経て公開され映画史に残る傑作となった『マッドマックス 怒りのデス・ロード』と同じ奇蹟が再び起こったということである。前作へ最大限のリスペクトをはらいつつ、決してファンに媚びすぎることなく世界観を拡張してこれ以上ない見事な着地に成功した作品となっている。

そこで今回の寸評は、前作を愛するファンに「懸念事項」を解消して頂くための簡単な記述にとどめたい。

【前作のダークで陰鬱な都市描写が損なわれていないか】

・暗く、ひっきりなしに雨が降り続け、奇妙なアジアンテイストが氾濫する混沌のディストピア。そんな前作の都市描写は本作でも登場する。しかし、より環境破壊が進んだ2049年は内陸が砂漠化し、あり得ない降雪まで発生しているなど崩壊した都市描写はさらに発展している。いわゆるスチームパンクなテイストは少々薄まったものの、混沌と寂寥の絶妙なコントラストは見事である。

【予告編でかなりアクション要素が強調されているのに違和感を感じる】

・これは筆者も懸念していた点である。特に最終バージョンの予告編ではスピナーのチェイス、派手な爆破、銃撃シーンが強調され、ノワール的要素が魅力の本作がハリウッド的SFアクションになっていないか・・・という不安があった。これに関してはご安心頂きたい。ダークで陰鬱な展開と雰囲気はそのままで要所に必要最低限のアクション描写が挿入され、生命論、人間論を基調とするより深いドラマへと昇華している。逆に前作同様、SFアクションとして期待した観客は戸惑うことになるだろう。

【ヴァンゲリスからハンス・ジマーにバトンタッチされた音楽】

あまりにも強烈かつ美しいナンバーで構成された前作のサウンドトラック。シンセサイザーの名手であるヴァンゲリスのジャズ要素やテクノ要素を織り交ぜた劇判は今や映画音楽のスタンダードとなっている。本作では売れっ子ハンス・ジマーとベンジャミン・ウォルフィッシュが担当。シンセサイザーを多用して前作へのオマージュも含めヴァンゲリスを意識した音作りになっている。しかしながら、前作ほど印象的なトラックがないのがややネックか。なお、前作のサントラから1曲が流用されており、「人間としての心」に目覚めた者への鎮魂歌として再びファンの胸を熱くすることうけあいだ。既存のナンバーではシナトラやプレスリーが数曲流れるが、2049年なってもオールドスタンダードとして登場する彼らはアメリカ人にとって永遠の存在なのだろう。因みにデッカードのお気に入りはプレスリーの「好きにならずにいられない」らしい。

【レイチェルは、そしてデッカードのあの“謎”は?】

ブレランファンの最大の議論点となる「デッカードは○○○○○○なのか?」これが明らかになるかどうかは本編をご覧頂きたい。レイチェルに関してもここでは伏せておこう。ただ言えるのは、レイチェルの存在、そしてデッカードの30年間がどれほど過酷なものであったかを連想させる描写でファンは涙を禁じ得ない筈だ。

SF映画として、続編として非常に端正な仕上がりとなった傑作。前作を愛するあまり本作を全力で受け入れられないファンもいるかも知れないが、観るものの心に尽きることのない探求心を植え付ける作品であることは間違いないだろう。独立した1本の作品としても上出来だが、前作未見のかたは是非予習の上ご覧頂きたい(「ファイナル・カット」版を推奨)。

リドリー・スコットの精神を見事に継承し、バランスを崩すことなく新たな扉を開いたドゥニ・ヴィルヌーヴ。どこまでも真摯で恐るべし監督である。

投稿者:ToyGun.jp編集部