PICK UP!【個人的Gun備忘録コラム] 上野〜御徒町・モデルガンの聖地今昔記

2017年06月19日

コラム 企画

【上野〜御徒町・モデルガンの聖地今昔記】

賑わう秋葉原を中央通り沿いに進み、末広町交差点あたりを境に少し人の波が落ち着く。更に進むと御徒町、そして上野と、また人の波が慌ただしくなる。

このエリアこそ、ミリタリーグッズやトイガンを扱うショップが数多く存在する「聖地」である。

今は無くなってしまった名店も多く、オールドファンはこのエリアを散策するだけで胸が熱くなるのではないだろうか。特に上野、御徒町エリアに関してはモデルガン文化の礎と表現しても差し支えないだろう。

筆者が上京してきたのは今から26年前となる1991年(平成3年)なので、遡る黎明期については耳にするのみで諸先輩方の知識や体験には遠く及ばない。しかしながら、慣れぬ土地で慣れ親しんだ玩具銃の天国に迷い込んだ時の何とも云えぬ安堵と幸福は未だ忘れることができない。

特に大阪・ミナミのどこか泥臭いカオス的都市(現在はかなり洗練された部類に入るようになったが)において、良くも悪くも刺激的で、スタイリッシュとは無縁の青春期を送ってきた身としては、上野〜御徒町エリアに色濃く残る昭和の混沌が何とも心地良かった。

JR御徒町駅北口から徒歩数分の場所に一時代を築いた老舗MGCのショップである「ニューMGC上野店」があった。ビル1階にある中華料理店脇の階段を上って2階、そこはガンマニアにとっての夢の空間が広がっていた。

筆者が上京して最初に飛び込み、その後足しげく通ったガンショップが、このニューMGC上野店であった。時代はエアガンが台頭の兆しを見せ始めた頃。それでもやはり、多くのガンマニアの目はモデルガンのずっしりとした重量感に向けられていた。

よく小1時間ほど店内を見て回り、ショーケース内の商品をいくつか見せて貰い、結局何も買わずに帰っていた迷惑千万な筆者にも店の方は懇切丁寧に対応してくれた。最初の給料が出た頃やボーナス(そういえば過去にはそんなものがあった)が出たときには、ここでS&W M686(シューターワン?)、SIG P220などのモデルガンや、ベレッタM92Fの固定スライドエアガンなどを購入した記憶がある。

2006年3月に惜しまれながら閉店するまで、聖地を象徴するショップとして愛された名店である。

そして、リアルな外観で定評のあった伝説のモデルガンメーカー、「CMC」の店舗もアメ横にあった。線路下にひしめく商店街の一角にかまえる小さな店がまえで、モデルガン少年が憧れるような大人の雰囲気が漂わせていた。1995年に閉店。筆者は短期間であったが、閉店セールの時期に何度か通いコルトSAAシビリアンモデルなどを購入した記憶がある。線路下の雰囲気も相俟って、どこか秘密基地の武器庫を思わせるワクワク感が心地良かった。

他にもマルシンの直営店であった「レプリカ」など、惜しまれつつも閉店した名店はまだまだある。

下の写真は筆者が1993年?頃に購入したMGC製のモデルガン「GM2」。倉庫に眠っていた商品のセールなのか、箱が擦り傷だらけでかなりお得な価格だった記憶がある。

大雑把な保管で傷や汚れが多々あるものの、売りに出したり有人に譲ったり、故障して処分したものが多い中で手元に残った一番古いモデルガンである。

しかしながら、困ったことにこのモデルガンを購入した店が思い出せない。思えば昔アメ横やその付近には専門店ではなく、オモチャ屋としてモデルガンも扱う店も幾つかあり、路地にあった倉庫のようなオモチャ屋か、上野東宝の並びにあったお土産屋?の一角にあったオモチャ屋か・・・。どちらも今は無き昭和の遺産のため確認しようがないのが何とももどかしい。

そして、最近ではアメ横最後の重鎮であった老舗「マルゴー」も閉店となった。

サバイバルゲームが市民権を得て、トイガンの主流が電動ガンとなった現在。ミリタリーとトイガンの聖地は秋葉原〜末広町エリアに移動した。あらゆるPOPカルチャーと人種を抱擁する小惑星ともいえるこのエリアにおいて、より多くの世代にトイガンは親しまれるようになったのは嬉しいことである。

しかしながら、やはりモデルガン文化が根付いた上野〜御徒町エリアにその灯を消すことはまだまだモデルガンの神様が許さないようだ。

「マルゴー」の元スタッフたちが「TAKE FIVE」を立ち上げ、その「マルゴー」跡地には先日当サイトでも紹介した「アンクル上野店」がオープンした。どちらも昔ながらのモデルガンショップの面影を頑固なまでに継承する「らしい」店構えなのが頼もしい。

ミリタリーウェアや小物を扱う老舗中の老舗「中田商店」、エアガンやサバゲー用品を扱う「FIRST 東京アメ横店」、そして「TAKE FIVE」と「アンクル上野店」。再び上野〜御徒町エリアの均衡を保つべく役者は揃ったようだ。

何はともあれ、アメ横でショップをハシゴし、「もつ焼き大統領」で煮込みとシロをつつきながらビールを飲める日がまたやってくるのは嬉しいことである。

 

※この記事は当サイト運営会社である(株)スリーピングホークが企画・編集した「ミリタリー・トイガン・カタログ2016」(三才ブックス刊)内で筆者が執筆したコラムを大幅改筆したものです。

投稿者:ToyGun.jp編集部