PICK UP!ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)ってどんな機関?【調べてトイガンJP】

2016年06月24日

企画

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「アンタッチャブル」が先祖となる米国司法省内の連邦法執行機関

アメリカの映画やテレビドラマを観ていて、アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives/略称:ATFもしくはBATF、BATFE)という機関の捜査官が登場する度に「?」となった方も多いのではないだろうか。

「CIA(中央情報局)」、「FBI(連邦捜査局)」、「DEA(麻薬取締局)」といった機関に比べて知名度が低いATF。アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局ってFBIや自治体警察とどう違うのか?その捜査活動や事件対処の範囲は?

●ATFの管轄範囲

火器および爆発物の違法な使用、製造、所持とアルコール・タバコ類の違法な流通に対する捜査、犯罪の予防が含まれる。また、州をまたがる火器、弾薬および爆発物の販売、所持、運搬に関する許認可も行っている。その活動の多くは、州や地元の法執行機関と共同で実施される。加えて、メリーランド州において放火犯罪を実物大の模型で再現できる研究所を運営している。FBIのように逮捕権限を持っており、爆発物関連の事件でテロリストと対峙することもある。

USA_-_ATF_BadgeATFのバッジ

 ●ATFの歴史

・1886年:財務省の内国歳入局内の「歳入研究所」として設置。

・1920年:内国歳入局の部隊「酒類取締局」として組織される。

・1927年:財務省の機関として独立。

・1930年:司法省に移管。

・1933年:連邦捜査局(FBI)の一部門となる。

・同年:ボルステッド法(国家禁酒法)の撤廃により、財務省に還御。内国歳入局の「酒税部隊(ATU)」として編成。※1

・1942年:銃器に関する連邦法の適用に関する責任が与えられる。

・1950年代初頭:内国歳入局が内国歳入庁に改名。タバコ税に関する連邦法適用の任務が与えられ、「アルコール・タバコ税部(ATTD)に改名。

・1968年:銃規制法により、「内国歳入庁アルコール・タバコ・銃器部」に改名。ここで初めて「ATF(Alcohol, Tobacco, and Firearms Division)」と呼ばれるようになる。

・1972年:ニクソン大統領署名の大統領令により、財務省直轄の「アルコール・タバコ・銃器局」として独立。初代局長であるレックス・ダーウィン・デイビスの監督下で、政治的テロと組織犯罪に重点を置いた組織へと変貌し、課税やアルコールについては重要視されなかった。

・2002年:前年に発生した世界貿易センタービルのテロ事件を機に国土安全保障省が設立され、財務省から司法省へ移管。「アルコール・タバコ・銃器・爆薬局(Bureau of Alcohol,Tobacco,Firearms and Explosives)」に改名されるも、略称としては引き続き「ATF」と呼ばれた。

・2013年:ATFが担っていた、タバコやアルコール製品からの連邦税徴収ならびに規制によりアルコール関連の問題から社会を守るという任務が、財務省に新設された、アルコール・タバコ税・貿易局(Alcohol and Tobacco Tax and Trade Bureau)へ移管される。

※1 特別捜査官エリオット・ネスと、ボルステッド法時代に酒類取締局で働いていた「アンタッチャブルズ」のメンバー数名が、この「酒税部隊」に転属している。

 ●ATFへの狭き門

ATF特別捜査官採用のハードルの高さは尋常ではない。まず4年制大学の学位を持ち、地方や州警 察での4年以上の実務経験があることが最低条件となるが、採用率は5%に満たないという。詳細は明らかにされていないが、候補者は最低限、秘密情報に触れるための厳格な背景調査をクリアする必要があり、さらに筆記試験や複数の体力検査、面接 や医学検査も、選考の際に考慮される。

 ●特別捜査官への長い長い道のり

見事採用された場合でも、特別捜査官は27週間に渡る長期的な訓練プログラムをジョージア州グリンコにある連邦法執行訓練センターで受けねばならない。訓練機関はFBIやDEAの特別捜査官訓練プログラムよりもはるかに長く、アメリカにおいて最長の訓練のひとつとして挙げられている。現在は1週間の基礎前段階、12週の犯罪捜査官訓練プログラム、14週の特別捜査官基礎訓練コースで構成される。そして、訓練を終えて初めて特別捜査官は現場の事務所に配属され、3年の見習い期間に入るのである。

 ●銃砲店への抜き打ちチェック

ATFの仕事のひとつに銃砲店への抜き打ち調査がある。だいたい2〜3年に一度の頻度で調査員が前触れもなく訪れ、前回のチェック以降の銃の在庫と売買帳簿のチェックし、間違いがないか確認を行うのだ。この際に帳簿が合わなかったり、書類の漏れがあればオーナーはATFの本部に呼ばれスーパーバイザーの厳しい指導を受けることになる。Atf_ffl_check

銃砲店にてチェック中のATF調査員

  ●ATFの採用銃

連邦捜査機関の多くは、スイス製SIG P228、P229を採用しているという話があるが、ATFに関しても同様かは定かではない。2010年頃には、S&W社のポリマーフレームオート、M&P40を採用、あるいはオーストリア製グロック22と27を採用とのニュースもあった。

S&W_M&P_.40_right_sideS&W M&P40

 

 ●ATFが登場した映画

ATF特別捜査官が主人公の作品としては、トニー・スコット監督、デンゼル・ワシントン主演の2006年度作品「デ・ジャヴ」が最もメジャーであろう。SF的要素も取り入れられたサスペンスアクションで、デンゼルが演じるATF特別捜査官ダグ・カーリンが大規模なフェリー爆破テロを捜査するうちに、1人の女性の運命と謎の現象に直面するというストーリー。因みに本作でダグ捜査官が使用した銃は、アンクルホルスターに入れて携行していたS&W M642と、ラストでフェリーの警備員から奪ったグロック17であった。

 

 

投稿者:ToyGun.jp編集部