PICK UP!【このGunに歴史あり】第2回・これが『ブルパップ』の生きる道

2016年05月27日

コラム 企画

 

FN-P90サバゲー女子に大人気のP90もブルパップ式

以前にもP90がサバゲー女子の指示が高いことと、その理由をつらつらと書きましたが相変わらず人気高いです。先日もサバゲー初心者の女の子が初めて購入するエアガンは東京マルイのP90にする!と、壮大な決意を私の前で示してくれました。そのとき「ブルパップってなに?」と、異様な勢いで興味を示しながら聞いてきたのです。どうやら「ブルパップ」という響きが可愛いとのこと・・・ただ言いたいだけかい!

【ブルパップとは?】

銃器の設計方式のひとつで、引き金を弾倉の前方に配置し、機関部を後方の銃床部に収納したモデル。機動性を高めるため銃身を切り詰めるという従来の方法とは異なり、銃身長をそのままに、機関部と弾倉を後方の銃床部分に内蔵することで銃弾を加速させる銃身長を維持しながら全体長の短縮を実現させた。『ブルパップ』という名称の由来は定かではないが、『ブルドッグの子犬(パビー)』という説が有力である。

まあ、上の写真のP90に関していえば弾倉は銃本体上部からセットするかたちとなりますが、こういうことなんですね。銃の全長を短くするといえば、よくアクション映画で見る水平二連やポンプアクション式のショットガンの銃身を鉄ノコなどでギコギコ切り落とすパターンですが、取り回しとカッコは良くても実際は射程距離が落ちて当たりません(至近距離なら別ですが)。

銃身長を短縮すると銃弾が発射されても十分な加速を得られない。銃身長をそのままに銃全長を短縮することは出来ないものか・・・。

なら、後ろのデッドスペースを有効活用すればいーじゃない!

鶴のひと声で採用されたのは、従来だと銃をかまえる際の姿勢安定という補助的役割(あるいは人や物をぶん殴る部分)だった銃床に銃の機関部や弾倉を仕込むという方式でした。従来のアサルトライフルに例えると、銃本体の真ん中に位置する機関部をカットし、後ろの銃床に押し込んだぶん銃全体の長さが短くなったということなのです。

A close-up view of a British SA-80 fully assembled.(写真上)イギリス軍に制式採用されたアサルトライフルL85A1

Australian's from the Air Traffic Control Detachment, Task Unit 633.4.2, invite Americans from the 447th Office of Special Investigations (OSI) to fire F88 5.56 mm Weapon Systems and various other weapons at the Baghdad International Airport firing range, Baghdad, Iraq during Operation IRAQI FREEDOM.  (写真下)射撃訓練で使用されるオーストリア製ステアーAUG

その他にも、フランスのFA MAS、ドイツのワルサーWA2000、イスラエルのタボール、南アフリカのベクターCR21などなど・・・。ブルパップ式のアサルトライフルやBDWはいずれもSF兵器を思わせる個性的な(クセが強い)フォルムなのも特徴です。特に1970年代〜1980年代にかけては多くのブルパップ式アサルトライフルが開発されました。

銃身長を維持したままコンパクト化したので、取り回しも良く銃弾の本来の威力や貫通力を遺憾なく発揮できる。機関部の位置の関係で反動制御が容易で撃ち易いと好評をもって迎えられ、さらには斬新なスタイルと小回りの良さが注目されたのです。

あれ?俺たち天下取れんじゃね??

と、フランスやイギリス、オーストリアでブイブイいわし始めるチーム・ブルパップ。しかし、彼らが実際に活動し始めると、その軽薄さ(軽さ)が全面に出過ぎた挙げ句アラが目立つようになったのです。そして、ついに世間にバレてしまいます。

メリットと同じくらい デメリットも多いじゃねえか!!

・銃床に機関部を内蔵したため、利き手を選ぶこととなる(左利きは右利きへ矯正しないとダメ)。銃床横に空薬莢の排出口があり、左利きの人は熱々の薬莢が顔面に直撃!ダチョウ倶楽部顔負けのリアクションが取れてしまうなど、様々な問題が生じる。

・全体が短縮されたので照門(リアサイト)と照星(フロントサイト)の間隔も短くなってしまい、狙いが定めにくい。

・弾倉が後方配置されたため、射撃体勢のまま弾倉交換が出来ない。つまり弾の交換がメンドクサイ。

・そのためブルパップを使用するための訓練が必要となり、莫大な費用を掛けて主力銃として置き換えるほどの価値がない。

さらには近年、機関部や弾倉の配置が従来のモデルと同じで銃床を折りたためるアサルトライフル(G36とか、SIG552とか、SCARとか・・・)が登場し、銃身長や取り回しの点で特に有利ともいえなくなり

あれ?俺たちの立場って・・・

と、チーム・ブルパップの皆さんがザワザワし始めてしまいます。排出口の問題でいえば、P90は排出口を銃本体下部に設ける、同じFN社のブルパップアサルトライフルF2000は空になった薬莢をチューブにより前方から排出するなど、クリアしたものもありますが、大きな普及には至らず多くのブルパップの皆さんが

機関部同様、考え方も後ろ向きになってしまうのです。

しかし、ピンチはチャンス。チーム・ブルパップの総合プロデューサーは起死回生を図ります。それは当初のドームクラスのキャパ狙いではなく、もっと小規模でオーディエンスの顔が分かるライブハウスでの地道な活動でした(例えですよ、例え)。それは、『軽量小型・長い銃身長・反動制限が容易』というチーム・ブルパップの長所をフルに活かせる

狙撃銃としての新たな道だったのです。

そして、この試みは見事に成功!前述の狙いの定まりが悪い点は光学機器を装着すれば無問題!なんとブルパップ式の新型狙撃銃の開発も行われるようになりました。そして、その斬新なルックスが改めて注目され映画やアニメ(特にヒロインに愛用された)に引っ張りだこ、更にP90はエアガンがサバゲー女子から絶大な支持を得ることに成功したのです。

俺ちゃん、モテ期が来たぜええええええ!!!!!

こうして、大ブームこそ起こせなかったものの、地味ながら着実な道で輝きを取り戻したブルパップ銃。彼らから学んだ教訓で本日の回を締めたいと思います。

 恐れずに自分の欠点を全部さらけ出せば、自ずと最大の長所が見えてくるものさ(キメっ!)

投稿者:ToyGun.jp編集部