PICK UP!シネマほぼ百発百中!Gun観しやがれ!第13回「トリプル9 裏切りのコード」

2016年05月17日

エンタメ 映画

シネマほぼ百発百中!Gun観しやがれ!

  ~狙った映画はだいたい外さないシネマヒットマンが送る怒濤の銀幕見聞録~

999_main2第13回『トリプル9 裏切りのコード』

ジョン・ヒルコート監督 『ザ・ロード』『欲望のバージニア』
<CAST>
ケイシー・アフレック  アカデミー賞®ノミネート『ジェシー・ジェームズの暗殺』
キウェテル・イジョフォー  アカデミー賞®ノミネート『それでも夜は明ける』『オデッセイ』
アンソニー・マッキー 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』
アーロン・ポール 「ブレイキング・バッド」シリーズ
ノーマン・リーダス 「ウォーキング・デッド」シリーズ
ガル・ガドット 『バッドマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』

ウディ・ハレルソン    アカデミー賞®ノミネート
ケイト・ウィンスレット  アカデミー賞®受賞

2015年/アメリカ/英語/カラー/SRD/シネマスコープ/115分/原題:TRIPLE9/R15+
配給:プレシディオ
協力:松竹
©2015 999 Holdings, LLC
6月18日(土)、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国ロードショー
■公式HP: http://999-movie.jp/

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【作品概要】“999”は裏切り&殺しの番号!
犯罪都市アトランタが戦場と化すダークなクライムアクション

“999-トリプルナイン”とは警官が撃たれたとき、応援を呼ぶ際に使用される警察の緊急コードをいう。

ひときわ強い仲間意識を持つアメリカの警察官にとって、そのコードの発動はかけがえのない仲間を救う最優先任務への一斉招集を意味するのだ。だが、“999”により多くの警官が駆り出されることで地域の治安に一時的な死角も生まれかねない。『トリプル9 裏切りのコード』は、そんな危うさを孕んだ緊急コードを利用して前代未聞の犯罪を実行しようと企むロシアン・マフィア配下の犯罪者×悪徳警官チームと、それを阻止しようとする新人×ベテラン警官の死闘を描いたハードアクションドラマである。

監督はオーストラリア出身の気鋭、ジョン・ヒルコート。荒廃した近未来を描いた『ザ・ロード』、禁酒法時代のアメリカ南部を描いた『欲望のバージニア』を経て、遂に現代のアメリカ犯罪最前線に斬り込んでみせる。出演は監督としても評価の高い俳優ベン・アフレックの実弟ケイシー・アフレック、『それでも夜は明ける』の熱演も記憶に新しいキウェテル・イジョフォー、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のアンソニー・マッキー、人気TVシリーズ「ウォーキング・デッド」のノーマン・リーダスなど、旬の実力派が勢揃い。さらには抜群の存在感を放つ『ナチュラル・ボーン・キラーズ』のウディ・ハレルソン、冷酷なロシアン・マフィアの女ボスを演じる『タイタニック』のケイト・ウィンスレットと、映画ファンが唸る布陣が作品に極上のスパイスを加えている。

CGと過剰な爆破に食傷気味のアクション映画ファンに贈る、リアルでダークな肌触りの都市型ノワール。善悪の境界を見失う予測不能の115分を生き残れ!

【STORY】警官稼業と犯罪稼業の両立はシンドイぜ!

生き馬の目を全力で抜きにかかる全米随一の犯罪都市アトランタで、武装ギャングによる銀行強盗が発生。壮絶な逃走劇は一般市民まで巻き込み、ハイウェイは銃弾飛び交う地獄絵図と化す。犯人は特殊部隊の元兵士マイケルを筆頭に、ウェルチ兄弟、ギャング対策班の刑事マーカス、殺人課刑事のフランコで構成された、「反社会人+国家公務員混成ギャング団」だ。
マイケルはこの仕事を最後に足を洗うつもりだったが、ロシアン・マフィアの冷酷非情な女ボス、イリーナはマイケルの最愛の息子を人質に新たな仕事を依頼する。それは、刑務所に収監中のイリーナの夫を救うため国土安全保障省の関連施設から重要機密ファイルを盗み出すという、インポッシブルなミッションであった・・・。

そんなある日、マーカスの所属する班に新人警官のクリスが転属してくる。重大犯罪課のベテラン刑事ジェフリーを叔父に持つ実直なクリスとは水と油のマーカスだった。やがて、混成ギャング団は重要機密ファイル強奪計画に警察の緊急コード“999”を悪用することを思いつく。警官を犠牲にして“999”を発動させ、その隙を狙って施設に侵入しようというのだ。

そして、その生け贄の警官として選ばれたのはクリスであった・・・。999_subsub2244

【Gun&アクション】特殊部隊仕込みのリアルな突入シーンに注目!

《Gun》
ハンドガンは、ケイシー・アフレック扮するクリスをはじめとするアトランタ市警ギャング対策班の標準装備?であるグロック19、キウェテル・イジョフォー扮するマイケルが使用するニッケル仕様のSIG P226R、その他グロック17、ブローニング・ハイパワー、コルト・パイソン2.5インチモデル、S&W M60などが登場。サブマシンガンは、オープニングの銀行強盗シーンで使用されるH&K MP5A3とフルサイズのUZI、メキシコ系ギャングが乱射するMAC10。アサルトライフルは、SWATが使用するM4A1、オープニングとクライマックスの犯行で使用されるSIG 516にブッシュマスターACR。ショットガンではモズバーグ590クルーザーが登場していた。

《注目のアクション》
実際にSWATや特殊部隊が行うダイナミック・エントリー(建造物などへの突入・制圧作戦)を忠実に再現した中盤のシーンに注目。防弾楯を持ち、もう片手 でグロックを横撃ちスタイルで構えたクリスを先頭に、それに隠れるかたちで同僚たちが縦列を組んで後続して追従するくだりが非常にリアルに描かれている。 映画的誇張を排することでかえって異様な緊張感が醸し出された、「迫真のリアリズム」というコピーに偽りなしの名場面だ。

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【レビュー】70年代アクションを現代にアップデート!硬派アクションドラマの良作。

1995年の傑作『ヒート』を彷彿とさせるテイストで現代の犯罪最前線を描きながらも、その根底にはハードでザラついた感触の70年代名作アクション映画の血が脈々と流れている。それが『トリプル9 裏切りのコード』を見終えた後の率直な感想である。

CGや過剰な爆破、完全無欠のヒーローの出番などなく、紋切り型のハッピーエンドもない、等身大の男たちの荒涼たる心象風景を反映したアクションドラマ。そんな70年代アクションを更に複雑で闇深き2000年代に再構築してみせたのは、『ザ・ロード』、『欲望のバージニア』の2作品で中目されたジョン・ヒルコート監督。絶望や暴力に支配された世界で、家族への愛情や絆を軸に生き抜こうとする男たちを描いてきたヒルコートは、本作でもモラルが地に堕ち悪徳が栄える犯罪都市で、家族のために、正義のためにバッタめく男たちの姿を鮮烈に描き出す。若干、悪党側の登場人物の整理が荒っぽく不明瞭に感じる点もあるが、魅力的な役者陣によって見事にカバーされていて緊張が途切れることはない。

旬の役者陣において出色なのは、『それでも夜は明ける』でオスカーにノミネートされたキウェテル・イジョフォー。元特殊部隊という日常でツブシのきかないスキルを愛する息子のために悪用する「痛み」を見事に演じきっている。そして、すっかりベテランの貫禄がついたケイト・ウィンスレットが血も涙もないロシアン・マフィアの女王を演じる驚き!パッと見で彼女と分からないゴツめの魔女感(褒めてます)は強烈のひとこと。999_sub122999_udey2234しかし、最終的にイイところを持って行くのは、名バイプレイヤーとして抜群の存在感を放ち続けるウディ・ハレルソン!主人公クリスの叔父に当たる豪快なベテラン刑事を演じ、荒んだ私生活を得意としながらも決してブレることのない正義感で最後までクリスをサポートするのだ。彼が最高にイイ顔を見せるラストは、事件が片付き物語の熱が頂点に達した瞬間に幕を下ろすという、まさに70年代アクションの傑作『フレンチ・コネクション2』のラストを彷彿させるセンスの良さが光る。

旬の役者の魅力を堪能したい、あるいは映画館の暗闇に廃れちまった硬派な男の生き様を見いだしたい、そんな映画ファンのお薦めの作品だ。

投稿者:ToyGun.jp編集部