PICK UP!我はガバの影武者なり!スター・モデルB 9mm【シネマ活動大射撃その5】

2016年05月10日

エンタメ 映画

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 本家を差し置いてスターと共演した最強の代役「スター」

国内外含め映画やドラマで最も多く使用された自動拳銃といえば、ガバメントことコルトM1911A1だろう。ちゃんと調べた訳ではないけど絶対そうであろう・・・いや、そう思いたい。

しかし、メイド・イン・ハリウッドのアクション映画におけるガバメント活躍の歴史には大いなる影武者が貢献していたという事実がある。その影武者こそプロップガンとして快調な作動を誇り、発砲シーンなどでガバメントの代役を務めた「スター・モデルB 9mmオートマチック」だ。スティーブ・マックイーン主演、サム・ペキンパー監督の名作犯罪アクション「ゲッタウェイ」(1972)をはじめ、数々の作品で偉大なるM1911A1に代わって悪党を地獄に送ってきた銃は、ただの3流コピー品なのか?それとも不世出の実力派なのか?

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1905年〜1997年まで存在したスペインの銃器メーカー、スター社が製造したコルトM1911A1のコピー拳銃であるスター・モデルBは、45ACPである本家に対し9mmを使用。当コーナー前回の【伝説のGunアクター、スティーブ・マックイーン】http://toygun.jp/2016/03/09/5975でも触れたが、「ゲッタウェイ」制作当時のハリウッドではプロップガンとして9mmオートの方が作動が快調なため、発砲シーンにおいてスター・モデルBが重宝されたという事情があったようだ。「ゲッタウェイ」においては使用するのがガンの扱いに長けた大スター、マックイーンということもあり、その手練のシューティングに上手く呼吸するプロップガンが必要不可欠であったのだ。

スター・モデルB はM1911A1よりも少しサイズが小さく、スライドとフレームの幅も若干狭め。しかし外観上の一番の違いといえば、フレーム右側面に露出型エキストラクター(排莢口の後方にあるアイスキャンディーの棒みたいな形状のやつで、薬莢を排除する爪の役割を果たすパーツ)が配置され、グリップ・セイフティ(握りの背に付いている安全装置で、これをしっかり握り込まないと撃てまへん)が省略されている。全体的なフォルムとしてはほ〜んの少し先細り気味でスクリーンでもそのシルエットで判断できたりすることもあったりなかったりだ。その他、細かい部分にも相違点があるが字数の関係とは関係なく割愛する(惜しいと思いながら思い切って手放したり省略すること、とか言いながら大抵は面倒くさくなりカットすること)。

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 ここまでのスクリーンショット画像は、You tube チャンネル「The Late Boy Scout :Star Super B Pistol from J&G Sales: The Spanish 1911」より

 

このスター・モデルBがM1911A1の代役として登場した作品は他にも「ワイルド・バンチ」(1969)、「デリンジャー」(1973)、「探偵マイク・ハマー/俺が掟だ」(1982)、「アンタッチャブル」(1987) などがあり、ウイリアム・ホールデン、ウォーレン・オーツ、アーマンド・アサンテ、ケビン・コスナーら錚々たるスターによって使用されている。近年ではスクリーン上で純正のM1911A1自体の出番が無いため、代役のスターがスターに使用される(ややこしいな)機会も無くなってしまい、その勇姿を見たのは天才しゃくれヲタ・アメリカンことクエンティン・タランティーノ監督の代表作「パルプ・フィクション」が最後のように思う。

本作では2人組の殺し屋の1人であるサミュエル・L・ジャクソンがニッケル仕様のスター・モデルBを使用。ここでは終始スターを使用のため代役という扱いではないようだが、相棒役のジョン・トラボルタがニッケル仕様の純正M1911A1を使用していることから2つ用意できない旨の代役として登板した可能性が高い。撮影前にサミュLと寅ボルタが「どっちがM1911A1使うか男気じゃんけん」で勝負してサミュLが敗北したのだろう。劇中での殺しの前の演説が狂気めいているのは敗北の悔しさも影響しているのだ(ウソ)。

 2016-05-10 12.22.42スクリーンショット画像はMIRAMAX公式チャンネル「Pulp Fiction | ‘Say What Again’ (HD) – Samuel L. Jackson, John Travolta | MIRAMAX」より

自動拳銃の王たる銃の代役ながらも、数々の名作でスターに使用された無冠の帝王スター・モデルB。実際の銃としての性能も、本家や数多の9mmオートと比較すると特に傑出したところはないものの、安定した性能と堅牢さでかつて「3流のコピー品」と揶揄されいたような粗悪さは微塵もないそうだ。
代役とはいえ、時代を代表するスターの手に握られたスターは、その瞬間「本物」の輝きを放っていたことは間違いないのである。

 

投稿者:ToyGun.jp編集部