PICK UP!世界のGunニュース「コルト社経営破綻〜老舗Gunメーカーに何が起こったか?」

2015年06月29日

NEWS 企画

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世界のGunニュース「コルト社経営破綻〜老舗Gunメーカーに何が起こったか?」

コルト社といえば、西部開拓時代の象徴といえるコルトSAA(シングル・アクション・アーミー)、そしてオートマチック・ピストルの名作中の名作コルト・ガバメン ト、さらには日本の映画や漫画で多く使用されたコルト・パイソンなど、数々の名銃を世に送り出してきた老舗Gunメーカーである。そのコルト社の軍用銃器部門であるコルト・ディフェンス社が6月15日までに連邦破産法11条の適用を連邦破産裁判所に申請し、経営破綻した。負債総額は3億5,500万ドル。日本円にして約430億円である。

※写真はコルトSAA(左)と、コルト・ガバメント(右)共に日本製トイガンです。

 

●名銃で掴んだアメリカンドリーム

創業者サミュエル・コルトによって1836年に産声をあげ、ライバル社であるS&W(スミス・アンド・ウェッソン)社と共に長年に渡り銃器の歴史を牽引してきたコルト社は、実は過去に1度倒産の憂き目に遭っている。
それは1841年、サミュエルが開発した画期的なシングル・アクション・リボルバーであるコルト・パターソンの売れ行き不振によるものであった。しかし、パターソンを使用して多大な戦果をあげたサミュエル・ウォーカー大尉の支援と多くのユーザーの声により見事に復活。
その後のコルト社は快進撃を続け、歴史に名を残す傑作を次々と発表してゆく。その中でも「オートマチックピストルの父」と呼ぶにふさわしいコルトM1911A1、通称ガバメントは多くの派生モデルを生み出しながら。現在に至るまで世界中で愛されて続けている。

では、不死鳥の如く甦り、アメリカ銃器メーカー最大手という王座を手にしたコルト社はなぜ凋落の一途を辿る運命となったのか?

 

●ヨーロッパ製銃器の台頭、そして国防予算削減の波

70年以上もの長い間、アメリカ軍の制式拳銃として君臨していたコルト・ガバメント。しかし、遂に1985年、制式拳銃の座を明け渡す時が来る。その後継に収まったのは、イタリア製ベレッタM92F(軍用タイプはM9と呼ばれる)であった。
時期同じくして、ガバメントはパテント(特許)を失効、他社から現代的要素を取り入れた多くの派生モデルが続々と発売され始め、コルトの主力商品でもあったリボルバーの需要も徐々に低下していった。さらに1990年代に入ると、オーストリア製のグロック、ドイツ製のSIGといったヨーロッパ製ピストルが台頭してくる。多弾数、軽量な9mmのヨーロピアン・オートが主流となった現代において、コルトの牙城は徐々に崩壊へと向かい始めたのである。
そして2013年、アメリカの国防予算削減が決定打となる。コルツ・マニュファクチャリング・カンパニー(CMC)から分社化した、コルト・ディフェンス社は軍用銃器専門会社として軍にM16、M4カービンを納入していたが、この国防予算削減によりM4カービンの調達契約が打ち切られたのだ、

このトドメの一撃といえる事態により業績は悪化、待っていたのは債務超過の泥沼であった・・・。

 

●コルトは二度死ぬ、そしてまた甦る

現代銃器の雛形となる歴史に残る名銃を数多く排出してきたコルト社だが、時流に乗り損ねたことが致命傷となってしまった。
ライバル社であるS&W社が、同社の伝統あるリボルバー、ミリタリー&ポリスの名を継承するポリマーフレーム採用の傑作オートピストルを発表したりと、現代のニーズを巧みに取り込む意欲を見せており、大きく水をあけられたことは否めない。
コルト・ディフェンス社は現在、8月の破産入札に向けて準備中とのこと。一部でS&W社や、スターム・ルガー社といった銃器メーカーの大手が買収に動くのではないか?との噂があったが、どうやらコルト社の株の過半数を保有する投資会社が事業継続と負債返済ための資金提供を申し出ているようである。

1841年の倒産時、資金や工場など全てを失いながらも、他の仕事に従事しながら再生の期を掴んだ創業者サミュエル・コルト。その不撓不屈の精神が時を超え、再びコルト社を不死鳥の如く甦らせることを期待したいものである。

投稿者:ToyGun.jp編集部