【オススメアイテム】東京マルイ/M9A1

2012年11月22日

アイテム エアーガン

marui-m9a1-00マイナーチェンジではない。これは既に完全新規モデルだ

「ベレッタM92F」、米軍制式名では「M9A1」と呼ばれるイタリア製の拳銃は、世界最強軍隊であるアメリカ軍に大々的に採用されているということもあり映画やドラマ、コミックやアニメーションに登場する機会も多く、最も良く知られている軍用拳銃の一つである。知名度も人気もあるので、当然のことながら数多くのトイガンメーカーがベレッタM92Fをエアガン、あるいはモデルガンとして製品化している。トイガンメーカーは他社が作っている製品と同じモデルは避けるというのが基本的な傾向だが、この銃については話が別で、ほとんどのメーカーがベレッタM92Fあるいはそのバリエーションのどれかを製品ラインナップに入れている。

東京マルイも、もちろんその例に漏れない。東京マルイ製のM92Fには、エアコッキング、電動ブローバック、そしてガスブローバックの3種類が用意されている。その中でもガスブローバックは、東京マルイがガスブローバックハンドガンを開発し発売したときの最初期モデルになる。メカニズムなどで全く新しい試みをした新製品を発売するときには、まず最初に比較的マイナーな機種を選ぶことが多い東京マルイとしては、いきなり最初から超メジャー機種を選ぶという珍しい例である。それだけ製品の出来の良さに自信があったのだろう。実際、1999年に発売された東京マルイ製ガスブローバックM92Fは、魔法のようにまっすぐどこまでもBB弾が飛んでいくように見える実射性能の高さでエアガンユーザーの度肝を抜いたものだった。

だが、さすがに発売から10年以上も経てば、新たに開発された新技術も生まれるし、ユーザーの要求する基準も厳しくなってくる。もちろん東京マルイも昔の製品をそのまま手を加えずに製造販売し続けているわけではなく、新技術を惜しみなく取り入れ絶え間ないアップデートが繰り返されている。現在売られている「ガスブローバックM92F」と、10年前のそれとでは、同じ製品名の製品であっても中身のあちこちが変化しており、もちろん実射性能は大きくアップされている。

だが、そういったいわば小手先のバージョンアップだけでは対応しきれない部分というのも、どうしても存在する。ここをなんとかしようと思ったら、ほとんど全く別の製品を作り直すのと同じくらいの大改修になってしまう……という部分だ。すでに販売されている、それなりにしっかりとしたシェアを持っている製品を「旧型」にしてしまうというリスクを犯してまで、それほどまでに大幅なバージョンアップをしてくれるのだろうか?

東京マルイは、それをやってくれた。「中身は全くのベツモノ」にバージョンアップされたM92Fが、米軍制式名の「M9A1」という名前で2012年の8月に発売されたのだ。

marui-m9a1-00東京マルイ(http://www.tokyo-marui.co.jp/
ガスブローバック M9A1
全長:216mm
重量:961g
装弾数:26発
定価:17,640円(税込)
発売日:2012年8月24日
marui-m9a1-02外観(見た目)での変更点は、フレーム前方にアクセサリーレールの溝が追加された、いわゆる「レールドシャーシ」になっているところくらいで、大幅な形状変更があるわけではない。だが細かい部分を見ていくと、共通点を探す方が難しいほどに「ありとあらゆる」部分が変更されていることがわかってくる。
marui-m9a1-03トリガー部分のアップ。金属部品の質感が、旧製品のようなザラザラした感じではなく、「削りだした製品を表面加工した」のに近い雰囲気に変わっている。ダイキャスト(鋳型に溶けた金属を流し込んで抜いたもの)っぽさがほとんど感じられなくなったのは、型から出したあとの加工に一手間かけるようになったのが理由なのだそうだ。ひとつひとつは細かい違いだが、それが積み重なると全体を見て手にとった時の感じが段違いといっていいほどに変わってくる。ピンの頭など一部の部品は、鋳型ではなく実際に削って加工されている。

次の記事:スライド

よりリアルになった表面仕上げ

1999年に発売された方を「M92F」、2012年に発売された方を「M9A1」と呼ぶことにしよう。

M92Fの表面仕上げは、全体が同じようなつや消しのブラックだった。当時はABSの地肌まるだしのツルピカなエアガンがまだまだ主流であり、「表面がつや消しになっている」というだけで十分に高級感があるとされた時代だった。

だが今では事情が違う。単なるつや消しというだけではなくより実銃の表面処理に近い質感が求められ、さらには「高級なブルーイングを再現」とか、「使い込んだ感じを再現」とか、リアルさに対するユーザーの要求はどんどん高まる一方だ。

marui-m9a1-08ベレッタ拳銃の特徴である曲面主体のデザイン。単調なつや消しブラック仕上げだった旧製品と比べ、新型のM9A1では金属っぽい「ぬめり感」がある独特の表面仕上げになっている。セーフティーレバーは金属製だが、エキストラクターやAFPB、それらを留めるピンなどは全てモールド。リアサイトも一体成型になっていて、外したり動かしたりすることはできない。
marui-m9a1-01スライド左側面。刻印類も現在のM9A1に合わせて大きさや内容が変更されている。スライドには若干のツヤがあり、フレームはヤスリのような完全つや消し仕上げになっている違いが分かるだろうか。
marui-m9a1-05フロントサイトにはホワイトが入っている。フロントサイトの下のスライドの射手の方を向いている面に、ほんのちょっとだけ(長さにして2mmといったところか)パーティングラインが残っている。これが、この製品全体を目を皿のようにして探しまわって見つけることができた唯一のパーティングラインだ。実際にこの部分のパーティングラインを処理しようとすると、形状的にとてつもない手間がかかってしまうのだそうだ。
marui-m9a1-06リアサイトにもホワイトが入れられている。ハンマーやセーフティレバーは金属製、スライドやフレームは樹脂製だが、その素材の違いを感じさせない仕上げになっている。
marui-m9a1-07ハンマーを起こして後ろから見たところ。ブリーチを留めるためのネジ(六角ボルト)の頭が見えてしまっている。M92Fの時にはここは(モールドであることがひと目で分かってしまう作りではあったが)ファイアリングピンの頭が再現されていたので、リアルさという点では一歩後退になってしまっている部分である。だが分解整備などはやりやすいので一長一短ではある。
marui-m9a1-04銃口部分のアップ。M92Fではパーティングラインが目立たないようにカド部分に配置されていたりしたが、それでも拭い切れないプラスチック感が残っていた。さらにそこにダイキャストっぽさが丸出しのリコイルSPガイドの頭が覗いていたので、どうしても「オモチャっぽさ」を感じてしまう角度だった。だがM9A1では部品のカドや仕上げなどがずっと丁寧なものになっており、リアルさは段違いに向上している。
marui-m9a1-16M92Fは固定ホップ(ホップの効き具合を調節できないタイプ)だったが、M9A1になって待望の可変ホップ機構が搭載された。調節は、スライドを外してバレル(チャンバー部分)の下側にあるダイヤルを回して行う。側面に矢印が描かれており、「HOP」と書かれている方に回すとHOPの効きが強くなる。

次の記事:フレーム

細かい部分があちこち変わっている

見た感じでわかりやすく形が変わっているのは、スライドではなくフレームの方だ。アクセサリーレールが追加されたことに加えて、グリップの前後にあるチェッカリングや、グリップパネルなどの形が変わっている。

marui-m9a1-02フレーム前方下部にアクセサリーレールが追加された。20mm幅レールになっているが、いわゆる「ピカティニーレール」とは規格が異なり、ずっと背が低くコンパクトな形になっている。「スモールレール」というような呼ばれ方をしている。ピカティニーレール用のアクセサリーの中にはこの形のレールには付けられないものもあるので注意。
marui-m9a1-20アクセサリーレールを使用する場合、断面が「U」の字型をしているフレームを左右から挟みつける形になる。樹脂製のフレームでは変形してしまい作動に問題がでる可能性がある。そのため、内部には金属の補強材が入っており、強度がアップされている。補強材の効果は高く、フレームの先を指でつまんで押してみたりひねってみたりしても変形する気配は微塵も感じられない。
marui-m9a1-10グリップ後ろ側のチェッカリングがタテヨコの格子状になっているのもM9になっての変更点の一つ。M92Fでは、縦方向に何本かの溝が刻まれているだけだった。
marui-m9a1-11グリップ前側のチェッカリングにも、横方向の溝が追加されている。
marui-m9a1-09グリップパネルの形も、フレームの形によりフィットするように変更されている。グリップスクリュウもマイナスネジから六角ボルトへと変更。にあるマークは、ベレッタの「三本矢」マークではなく、独自の「三本剣」マークに変更されている点は、M92Fと変わらない。

marui-m9a1-17マガジンの挿し込み口には、より抜き差しをしやすいようにテーパーが追加されている。

 

marui-m9a1-14マガジンはM92Fと共通。唯一の共通部品なのだそうだ。
marui-m9a1-12トリガーガードを下から見たところ。M92Fではこの部分なんかにはハデにパーティングラインが残ってしまっていたものだが、M9A1では綺麗に処理されている。

次の記事:スライドストップ

ノッチ欠け対策が追加されたスライドストップ

マガジン内の弾を全て撃ち尽くすと、スライドが後退した状態でロックされる「ホールドオープン」。ガスブローバックならほぼ全ての製品でこのギミックは再現されている。ホールドオープンを解除する方法は銃によって異なるが、一般的なのは「スライドストップ」と呼ばれるレバーを押し下げるやり方のものだ。弾を撃ち切ると上昇してきたマガジンフォロワーがスライドストップを押し上げ、スライドにある切欠き「ノッチ」に引っかかる形でスライドを後退位置で止め、ホールドオープン状態にする。解除するためには、スライドストップを押し下げれば、ノッチからスライドストップが外れてスライドが前進するという仕組みだ。

この方法には、ひとつ難点がある。ノッチ=小さい切欠きに引っかかるだけで止まっているため、解除するときにそこに大きな負荷がかかり、ノッチ部分が変形してしまうというものだ。これは金属製の実銃でも悩みどころの問題で、コレクターなど銃にキズがつくことを嫌がる種類の人はスライドストップは可能なかぎり作動しないように気を配り、万が一作動してしまった場合(ホールドオープンになった場合)でも、スライドストップを操作してホールドオープンを解除するのではなく、弾が入ったマガジンに交換した上でスライドを引いて、離すというやり方で解除する人が多い。

スライドが樹脂で作られているガスブローバックではノッチの変形についての悩みは、実銃以上に深刻なものだ。何度もホールドオープンからの解除をスライドストップの操作で行なっていると、ノッチがどんどん削れていってしまい、最終的にはスライドストップがかからなくなってしまう。ヘビーユーザーの間で流行りだしたノッチ欠け対策として、ノッチのスライドストップが引っかかる部分に金属製の細い棒を埋め込んでしまう方法などが生み出されたりもしている。

わざわざカスタムしなくても、ノーマルの時点で既にノッチ欠け対策が施されるようになったのはけっこう最近のことだ。東京マルイ製品では、ガスブローバックM1911A1が最初だ。外から見る限りでは全く変化はないが、スライドの裏側に薄い金属のプレートがネジ留めされており、スライドストップはその金属プレートに引っかかる形になる。金属vs金属になるので、これまでの樹脂製スライドのノッチに引っ掛けていたのに比べて格段に耐久性が向上し、全く気を使わずにホールドオープン→スライドストップで解除、という操作を楽しめるようになった。

最新型であるM9A1にも、当然ノッチ欠け対策は施されている。スライドストップが引っかかる部分は金属製となっている。もう昔のガスブローバックのように、ホールドオープンされるたびに「ああっノッチが削れるっ」と悲鳴を上げなくてもOKだ。

marui-m9a1-13ホールドオープンしたところ。フレーム左側面にあるスライドストップが上昇し、スライドにある切欠き=ノッチに引っかかる形で、スライドを後退した状態で止めている。ここからスライドストップを指で押し下げればホールドオープンは解除されスライドは前進するのだが、過去のガスブローバック製品ではソレをやるとノッチが削れてしまうので、コレクター系のユーザーにとっては「厳禁」に近い操作の一つだった。
marui-m9a1-15今のガスブローバックでは心配ご無用になっている。スライドの内側にあるスライドストップが引っかかる部分に金属製プレートが埋め込まれており、耐久性が格段に向上しているからだ。

次の記事:デコッキング

旧作最大の不満点が解消された

いつでも撃てるようにハンマーを引いておくことを「ハンマーを起こす」、戻しておくことを「ハンマーを倒しておく」という言い方をする。横から見るとハンマーが立った状態が「倒れた」状態で、横になった状態が「起こした」状態なので混乱する人も多いようだが、実際に操作する側の感覚とすればいつでも撃てる状態の方が「起こした」状態と呼ぶほうが自然なのである。

ベレッタM92Fは「DA/SAオート」と呼ばれるタイプの自動拳銃である。普段の携帯時には薬室に弾を入れてハンマーを倒した状態にしておき、初弾を撃つときにはトリガーを力を入れて引くことでハンマーが起きて、トリガーを最後まで引くと倒れて弾が発射される。発射後にスライドが後退してハンマーは自動で起こされ、2発目以降はハンマーが起きた状態から、トリガーを少し引くだけで次々に弾を発射できるというものだ。

携帯用にハンマーを倒しておく操作を「デコッキング」という。勢い良く倒してしまうと弾が発射されてしまうから、発射されないように安全に倒す必要がある。ハンマーに指をかけながらトリガーを引いて、そーっとハンマーを倒していくという方法もあるが、指が滑ったりすれば弾が発射され、もしかしたら大怪我をしてしまうかもしれない危険な操作になる。安全に携帯するための操作なのに毎回命がけというのでは全く割りに合わない。そのため、簡単な操作でハンマーをデコッキングできるような工夫が、多くのDA/SAオートには備えられている。

デコッキングするためだけのレバーやボタンを備えている銃も多いが、ベレッタM92Fの場合はセーフティーレバーがそれを兼ねている。セーフティーをかける操作が、そのままデコッキング操作になるという仕組みだ。東京マルイのガスブローバック旧製品(M92F)ではそのギミックは省略されていた。セーフティーをかけてもハンマーが倒れないのだ。BB弾を撃つ性能に直接関係する部分ではないとはいえ、「ベレッタ拳銃は、セーフティーをかければデコッキングされるものだ」という思いがある者にとっては、マルイのM92Fはセーフティーをかけるたびに残念な思いをしなければならない製品でありつづけた。

新型のM9A1では、ようやくその残念な思いをしなくてもすむようになった。セーフティーレバー操作によるデコッキング機能が再現されたのである。これは、ある種の人たちにとっては、実射性能のアップだとか仕上げの良さだとかなんかを軽く吹き飛ばしてしまうほどに大きな改良点だ。東京マルイ・ガスブローバックM92Fのもつ、最大の「欠点」が解消されたようなものだからだ。

marui-m9a1-18デコッキングのメカニズムは、機構的にはそれほど複雑なものではないのだが、小さいスペースに押し込まれているために正確かつスムーズに作動するように作るのはけっこう難しい部分だ。上写真で赤矢印で示したパーツが、セーフティーレバーの動きをハンマーに伝えるパーツだ。セーフティーをかける(写真右)と、赤矢印で示したパーツがせり上がってくるのが見える。
marui-m9a1-19この部品と対応しているのが、スライド側の赤矢印で示した部分だ。ここを上から押さえつけることによってコッキングされたハンマーが安全にデコッキングされる。写真では指で押して作動させているが、実際には指で押したくらいの力ではびくともしない。かなり強い力で押す必要がある。小さいスペースで小さなパーツが、強い負荷のかかる状態で作動するというハードルの高いギミックだが、実際にセーフティーレバーを操作してデコッキングしてみると、全く引っかかりのない実にスムーズな操作感なので驚かされる。

次の記事:その他の注目部分

ショートリコイルを再現

中身についても多くの部分が変更されているが、際立って変わってるのはフレーム先端部分の構造だ。M92Fでは、アウターバレルとフレームとの噛み合い部分にプラスチック製のカラーが入っており、バレルの正確な保持とスムースな作動の両立を狙った構造になっていた。だがそのカラーがあってもなくても実のところ精度に大きな差は生じず、M92F以降のガスブローバックには同様の部品は使われていない。

M92Fにしろ他の製品にしろ、実銃がショートリコイルするものについてはガスブローバックでもそれが再現されている。スライドを引くと、最初の数mmはスライドとバレルが一体となって動き、そのあとにスライドとバレルのロックが外れてスライドだけが後退するという仕組みだ。実銃では射撃時にスライド後退をわずかに遅らせることで開放タイミングを調節するためのメカニズムだが、ガスブローバックにおいては特に実射においては意味はない。リアルさを求めたギミックである。だが、「バレルが動く」というギミックは、どうあっても命中精度には悪い方の影響を与えてしまう。リアルさと精度、どちらを優先するか?という難しい問題になってくる。

その両方を実現するために考えだされたのが、BB弾の発射に関わるインナーバレルはフレームに固定したままにしておいて、外から見えるアウターバレルだけをショートリコイルを再現するために動かす、というアイデアだ。現在販売されているガスブローバックガンのほとんどは同様のメカニズムを持っている。

ベレッタM92Fのショートリコイルは少し変わっていて、バレルの下にある「ロッキングブロック」という部品が上下することでスライド・バレル間をロックしたり解除したりするものだ。ガスブローバックM9A1では、もちろんロッキングブロックの動きも含めてショートリコイルのギミックは再現されている。

marui-m9a1-23スライドの、バレル先端が入る穴の内側。M92Fではこの部分にプラスチック製の小さい部品がハメ込まれていて、アウターバレルとスライドの位置合わせを行なっていた。だがその後に発売されるガスブローバックではその機構は採用されていない。アウターバレル先端のかみ合わせよりも、インナーバレルの根本部分をどれだけシッカリとフレームと結合させるかのほうが、命中精度のためにはずっと重要だということがわかってきたからだ。
marui-m9a1-21ロッキングブロックの動き。上が閉鎖(スライドが前進した)状態、下が開放(スライドが下がった)状態。上昇したロッキングブロックはスライドにある溝と咬み合っており、スライドが下がるとロッキングブロックと一緒にアウターバレルも後退、それに伴いロッキングブロックが下降してスライドとのロックが解かれ、それ以降はスライドだけが後退するという仕組みだ。

 

marui-m9a1-22バレルだけをフレームに組み込んで、同様の作動をさせてみたところ。アウターバレルが実銃同様にショートリコイル作動をしても、BB弾の発射に直接関わるインナーバレルは微動だにしていないのが分かる。

 

 

marui-m9a1-24M9A1をブローバック作動させると、樹脂製フレームと樹脂製スライドの組み合わせとは思えない金属音が響く。この金属音の正体は、スライド先端の、リコイルSPガイドが入る穴の部分に埋め込まれた小さな金属製の部品だ。スライドを後退させると、この部品がフレームに埋め込まれた金属製のシャーシとぶつかり、「カキィン」と金属音を立てるのだ。

 

marui-m9a1-25サイトビューはこんな感じ。基本的な形はオーソドックスなパートリッジサイトになっており、ホワイトドットが入っているので薄暗いところでも照準はしやすい。

次の記事:M9A1~実射&まとめ~

撃ち味のリアルさこそが魅力

まだM9A1が発売になる前、ホビーショーで撮影させてもらったM9A1を空撃ち作動の動画をyoutubeにアップしたところ、外人さんから「これはメタル製ですか?」と質問が入ったことがある。「いえ、樹脂製です。日本だと法律で玩具の拳銃を金属で作ることは認められていません」と返答したのだが、なぜその人は動画を見てM9A1が金属製だと勘違いしたのだろうか? それは、作動音の中に激しい金属音が混じっていたからである。

実際、M9A1を撃ってみると「カキィン」という甲高い金属音が響く。もちろん法律に違反して金属スライドやフレームを使っているわけではない。スライドが後退したときに激しくぶつかる部分、スライド先端のリコイルSPガイドが入っている穴の部分に小さい金属のパーツが埋め込まれていて、それがフレームに埋め込まれた金属製のレールにぶつかるときの音が響いているのだ。

この工夫があるため、撃ち味はかなりシャープだ。モサッモサッとした感じはまったくせず、ガキン、ガキンと硬質な撃ちごたえを感じることができる。内部メカニズム、特にブローバックエンジンの心臓部であるシリンダー&ピストンの直径も大型化されているため、ブローバックスピードも古い方のM92Fに比べると明らかに体感できるレベルで向上している。グルーピングテストは、レンジの都合があり最長で10mまでしか取れなかった。この距離では目立った変化は無いが、可変HOP化やノズル形状の進化などはもっと長距離で撃った時にこそ効いてくると思われる。

旧型のM92Fと比べて、新型M9A1はどれだけ進化したのか? 実射性能の面では可変HOPになったということ以外は、劇的に変わっているわけではない。もともとがかなり良かったこともあるが、「まるで精密射撃銃のように良くあたる」というところまで行ったわけではなく、あくまでブローバックハンドガンとしては水準レベルである。大きく進化した点、それは撃ち味とか、操作感といった部分、つまり実射性能とは直接は関係しない部分だ。それこそが、旧型M92Fにおいて足りなかった部分であり、ぜひ充実してほしいと長い間大勢のファンが待ち望んでいた要素である。

m9a1-syosoku初速の測定は、けっこう肌寒くなってくる11月も末に行ったが、20発近くを連続して撃ったのにほとんど初速の低下もなく、最後にはキッチリスライドストップがかかった。寒さにはかなり強そうな感じを受けた。
marui-m9a1-targetグルーピングは10mで取ってみた。ブローバックハンドガンとしては水準レベルであり、際立って良いというわけではない(もちろん、悪いわけではない)。新型になって装備された可変HOPなど、より長距離で撃ったときに効果を発揮する要素も多いのだが。
実射動画(撮影協力:赤羽フロンティア)。周囲でシューティング練習会が開かれているのでけっこう騒がしいが、その中でもM9A1の射撃音はひときわ目立つ迫力がある。セーフティをかけることでちゃんとデコッキングできるというだけで、これぞ待ち望んでいた「マルイのベレッタ」という気分だ。

投稿者:keisuke