トイガンの基礎知識(3)~電動ガンの種類

2011年10月07日

企画

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電動ガンのメカニズムは、ほぼ一種類

最初の市販電動ガンが発売されたのは1991年。東京マルイから発売された「FA-MAS」だ。それ以降、数多くの電動ガンが発売されてきたが、「モーターを回して、ギアを回して、ピストンを動かしてスプリングを圧縮して、同時に弾をチャンバーに装填して、発射する」という基本的な構造はずっと変わっていない。モーターやギアの配置が若干変更になっている程度だ。様々な改良が絶え間なく施され常に性能UPを続ける電動ガンだが、基本的な構造は1991年の発売当時と大きくは変わっていない。

 かつては、他社から東京マルイのものとは全く構造が異なる電動ガンが発売されたこともあったが、構造上の欠点があり普及はしていない。現在販売されている電動ガンのほとんど全ては、東京マルイ製か、そのコピー品となっている。

 

Ver.1メカボックス

1991年発売のFA-MAS、そしてそのバリエーションであるFA-MAS SVと、バージョンアップ版であるFA-MAS 5.56F1にしか使われていないメカボックスだ。ブルパップ(マガジンがグリップよりも後ろにある構造)方式になっているFA-MASの独特な形状に合わせて作られており、メカボックス内にモーターを固定する形になっているのが特徴。

モーターとギアの噛み合いの微調整がしづらいことや、メカボックスとバレル&チャンバーの位置関係を高精度で固定することが難しいことなど、現在 の視点で見ると欠点も多いメカボックスで、対象機種が限られていることもあってカスタムパーツなどもほとんど出ていない。

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記念すべき、東京マルイ電動ガンの第1弾として発売されたFA-MAS専用のメカボックス。

Ver.2メカボックス

FA-MASに続いて1992年に発売されたM16A1をはじめとして、MP5系、G3系など数多くの電動ガンに使われてきたメカボックスだ。事実上、電動ガンのメインストリームとなっている。

モーターをメカボックスから独立させてグリップ内に収納する形になったのがVer.1との大きな違いだ。これによりFA-MASに比べると大幅に小型のレシーバーを持つM16やMP5にも組み込みが可能となった。また、グリップ底部にあるネジを使ってモーターとメカボックスの位置関係を微調整することで、モーターとギアの噛み合いを外部から調節できるようになったのも利点だ。

同じVer.2メカボックスでも、組み込まれる機種や作られた時代によって細かい形状の違いがある。

最も多くの種類の電動ガンに組み込まれているバージョン2メカボックス。カスタムパーツの種類も多い。

最も多くの種類の電動ガンに組み込まれているバージョン2メカボックス。カスタムパーツの種類も多い。

Ver.3メカボックス

1994年に発売されたAK47に組み込むため、Ver.2メカボックスをスリム化したものだ。AK47の他には、MP5KやSIG SG550、ステアーAUG、G36Cなどに採用されている。

基本的な構造はVer.2メカボックスと同じで、事実上マイナーバージョンアップといっていい。それなのにバージョンの数字が一つ上がっているのは、モーターの固定方法が大きく異なるのが理由となっている。Ver.2ではモーターは直接はメカボックスに固定されておらず、メカボックスを収納したレシーバーに固定したグリップでモーターを支える形になっていたが、Ver.3ではメカボックスに直接固定した金属製の部品にモーターを取り付ける形となっている。

バージョン2をスリム化したのがバージョン3メカボックスだ。

バージョン2をスリム化したのがバージョン3メカボックスだ。

Ver.4メカボックス

1995年、初の「セミオート専用の電動スナイパーライフル」として発売されたPSG-1のために開発されたメカボックス。セミオート電動ガンがその後発売されていないため、PSG-1専用となっている。

Ver.3をベースとしているが、大容量のピストン&シリンダーや、セミオート射撃時にピストンを後退位置で保持するための電磁ブレーキなど、このメカボックス独自の機構を数多く持っている。

バージョン4はPSG-1専用のメカボックス。大容量のシリンダーや、セミオート射撃用の電磁ブレーキを備えている。

バージョン4はPSG-1専用のメカボックス。大容量のシリンダーや、セミオート射撃用の電磁ブレーキを備えている。

Ver.5メカボックス

1998年発売のUZI SMGのために開発されたメカボックス。他の銃とはかなり形状が異なるUZIに組み込むため、「バレルの周囲を、チクワのような形をしたピストン&シリンダーが取り囲む」という非常に特殊な形をしたメカボックスになっている。そのため他バージョンメカボックス用のパーツなどはほとんど使えないという欠点はあるが、電動ガンにありがちな剛性不足(バレルとメカボックスの結合が甘く、銃全体がしなったりして命中精度が落ちること)が起こりづらいという効果があり、結果としてUZIはノーマル状態での命中精度は他機種に比べても高くなるという効果を生んでいる。

バージョン5はUZI専用のメカボックス。非常に特殊なレイアウトをしており、カスタムパーツが少ない、ハイサイクル化が難しいなどの欠点もあるが、ノーマルでの性能は高い。

バージョン5はUZI専用のメカボックス。非常に特殊なレイアウトをしており、カスタムパーツが少ない、ハイサイクル化が難しいなどの欠点もあるが、ノーマルでの性能は高い。

Ver.6メカボックス

2000年発売のトンプソンサブマシンガンのために開発されたメカボックス。Ver.3をベースとしているが、モーターの取り付け角度が任意に調整可能となったのが大きな変更点。また、それまではメカボックスと一体化していたトリガー&スイッチ部分が独立し、取り外しができるようになった。トンプソンの他、P90シリーズにも搭載されている。

モーターの取り付け角度の変更やスイッチ部分のセパレート化など、汎用性が高いメカボックスだ。

モーターの取り付け角度の変更やスイッチ部分のセパレート化など、汎用性が高いメカボックスだ。

Ver.7メカボックス

2005年発売のM14に搭載されているメカボックス。Ver.6メカボックスによく似た構造をしているが、全く新規に作られたメカボックスとなっている。M14の特徴である、フルオートで発射したときの発射サイクルの遅さを再現するため、主流となっているEG1000モーターではなく、少し旧型のEG700モーターを採用している。

M14専用のメカボックス。ボルト操作時にメカボックスが見えてしまうため、目立たないように黒色の塗装がされている。

M14専用のメカボックス。ボルト操作時にメカボックスが見えてしまうため、目立たないように黒色の塗装がされている。

Ver.8メカボックス

2006年発売の89式小銃に搭載されているメカボックス。Ver.2メカボックスをベースとしている。最大の特徴は、ギアを使った機械的な3点バースト(一回トリガーを引くたびに、3発だけ連続して発射される機構)を備えていることだ。

バージョン2メカボックスに、機械式3点バーストを組み込んだものだ。

バージョン2メカボックスに、機械式3点バーストを組み込んだものだ。

ハイサイクルメカボックス

2009年に第一弾となるMP5とG3 SASが発売されたハイサイクル電動ガンに搭載されているメカボックス。基本的なギアの配置などは従来のVer.2メカボックスと同じだが、ギアの歯の数や材質、重量バランスなどがほとんど全て作り替えられており、それまでは高電圧バッテリーを使わなければ不可能とされていたハイサイクルを純正バッテリーと同じ電圧で実現している。

バージョン2との外観の違いは色だけだが、中身は別物に作り替えられている。

バージョン2との外観の違いは色だけだが、中身は別物に作り替えられている。

電動コンパクトサブマシンガン用メカボックス

2006年発売のH&K MP7を第一弾として、第二弾のイングラムM10、第三弾のスコーピオンVz61と3機種が発売された「電動コンパクトサブマシンガン」用に開発されたメカボックスだ。

それまでのフルサイズ電動ガンでは、モーターの回転を3つのギアを使って減速してピストンに伝えていたが、コンパクト電動ガンではギアを1つ増やし、4段階にわたって減速する形になっている。そのことによりギアそのものを大幅に小型化することに成功、ギアの配置の巧みさもあって、ほぼ直方体の非常にコンパクトなメカボックスとなっている。

極めて小型なうえ、出っ張った部分がほとんどない電動コンパクト用メカボックス。

極めて小型なうえ、出っ張った部分がほとんどない電動コンパクト用メカボックス。

電動ハンドガン用メカボックス

2004年発売のG18Cを第一弾として、第二弾のM93R、第三弾のH&K USPと3機種が発売された「電動ハンドガン」用に開発されたメカボックスだ。

ハンドガンのグリップ内にメカボックスを収納するため、ピストンの動きが他の電動ガンのようにバレル軸線と並行ではなく、斜め上下に前後動し、斜め上に吹き出したエアを途中で曲げてバレル方向に導く形となっている。小型のギアを4枚使って小型モーターの回転を減速し、ピストンを動かす。まるで時計のような細かなギアだが、4段階の減速による効率の良さなどから耐久性は十分に確保されている。

ハンドガンのグリップ内に収納するため、細長い直方体の形をしている電動ハンドガン用のメカボックス。

ハンドガンのグリップ内に収納するため、細長い直方体の形をしている電動ハンドガン用のメカボックス。

投稿者:ikegami